JAPAN品質の材木をブラジルから~地球の裏側からOlá! ハードウッドの旅
現地生産者さんと共に、アマゾンの自然を守るための計画伐採を行い、デッキ材を日本にお届けする、アマゾンジャラ・イタウバ専門店「ハードウッド・プロ」。
ジャパンクオリティの、高品質の材木をお客様にご提供するため、毎年ブラジル奥地の伐採現場に向かい、品質管理や技術指導を行っています。
遠いブラジルからどのようにして材木が皆さんの手元に届けられるのか、デッキ材の長い旅をご紹介します。
ベレンにやってきました
日本からニューヨーク、サンパウロを経て、ベレンにやってきました。
ベレンは人口約143万人の街で、ブラジル北部に位置するパラー州の州都です。
ブラジルの首都であるブラジリアの人口が約200万人というのと比べると若干小さな街ですが、日本人や日系の人達が多く住んでいて、日系の団体や日系病院、日本国総領事館があります。
アマゾン川の上流で獲れた物を船で運んで、一番河口にあたるベレンから、様々な農産物が世界各地に輸出されています。
木材の製材工場や加工工場もここベレンにあります。
ちなみに木材は小さいマーケットで、昔はゴム、今はボーキサイト(アルミのもとの鉱石)がメインです。
次は、ベレンから飛行機に1時間乗ってサンタレンという街に向かいます。
高速船でマナウス方面に向かいます
サンタレンからは高速船に4時間のって、実際に木の伐採を行っている場所に行きます。
アマゾン川というとみなさん、茶色をした泥水の川を思い浮かべると思いますが、川の途中にきれいな水と泥色の水がぶつかる場所があります。それがこちらの写真。
ネグロ川という茶色だけど透明度のある川で、木や葉っぱの養分をいっぱい吸った水が山から流れてきます。
そのきれいなネグロ川と、アマゾン川の泥を巻き上げた茶色の川が合流する場所がちょうどサンタレン辺りなのです。
アマゾン川は大きくて、タンカーやフェリーも通っていて、川というより大きな湖のようです。
マナウス方面に到着
サンタレンから高速船にのって4時間、ようやくマナウス方面に着きました。ベレンを出たのは朝でしたが、着いたのは夕方でした。
日本の成田を出発して、ニューヨークを経由してサンパウロ→ベレン→サンタレン→マナウス方面と来て、明日は実際に木を伐採している場所に向かいます。
日本からブラジルに行くには直行便がないので、サンパウロに入るにはニューヨークかダラスかマイマミで乗り継ぎをしなくてはなりません。
成田からベレンに行くまでに2日かかり、また1~2日かかります。つまり伐採場まで行くには片道3~4日の旅となるのです。さすが地球の裏側ブラジルの奥地、遠いですね!
マナウス方面に着いた翌朝、小さいボートに1時間乗って実際の伐採場に行きます。
伐採現場
これからボートに1時間乗って、伐採の現場に向かいます。
これは切った丸太を乗せて運ぶバージ船です。1時間かけて製材工場のあるマナウス方面に運びます。大きな船でしょ?1回に5~600本積めます。
着きました!
ここはブラジルが管理している国有地です。黒枠の中は国立公園になっていて、緑の枠内が、私達が許可を得て伐採管理している場所です。
ここが伐採の現場の事務所です。
看板には「森林のプロジェクトをやっている事務所です」とポルトガル語で書いてあります。現地の言葉はポルトガル語ですが、英語も通じます。
事務所では、実際に伐採計画通りに伐採されているかを管理していています。
こんな山奥でもインターネットは繋がります。Wi-Fiもあり、通信機器はしっかりしています。
30年サイクルの計画伐採で、森の自然を守る
これは衛星写真です。青い部分は川ですね。ここをずっとさかのぼって来たのです。
いま黄色のところを伐採しています。
黒枠は国立公園の境界線です。ここを30年かけて伐採していきます。
青が4年前、赤が3年前 緑が去年伐採した場所です。
小さい木や種木はそのまま残し、一定の条件を満たした許可された木だけを、間引きするように伐採します。
間引きする事によって、木々の密度を調整し、幼い木が育つ光やスペースを確保する事ができ、森を豊かに育てる事が出来るのです。
1回伐採した場所は、木々を生長させるため、次の伐採まで30年空けます。
そうすることによって、植林ではなく、自然の成長サイクルに合わせ、森と共存しながらの伐採が出来るのです。
ちなみに、一番いけないのは焼畑です。
原住民が畑にするために森の木を全て焼いてしまう事がありますが、苗木も全て焼いてしまうと、後は植林しないと森は再生しません。そうならないよう、ブラジル政府は国有地を焼畑にせずしっかり管理して、自然を残そうとしているのです。
このように長い目で見てきちんと計画伐採すれば、森の自然を守りながら永遠に木を利用できるのです。
黄色い枠の中を拡大したものです。ちゃんと計画通りに伐採が行われているか確認しています。
たくさんある木の中で、伐採してよいと許可がおりている木にオレンジの印を付けています。
伐採予定の木には全部番号が振ってあって、明細・樹種名・木の大きさなど、一本一本下調べてしてあります。
実際に木を切る人はこのマップを持って現場に入り、番号を確認しながら木を切っていくのです。
紙が汚れているのは、実際にこのマップを現場に持って行って、確認しながら切ったからです。
木の三角は木の倒した方向を表しています。
車輪のような横線のマークは、木を何等分したかが書かれています。
この表には、木の番号・木の名前・XYは高さと太さ・ABCは木をいくつに切ったかが細かく記されています。
例えば、ABだったら2等分したという意味です。同じ番号の木でも、Aの部分とBの部分とCの部分・・というように、全て番号で管理されています。細かいでしょ?
自然に・地球に優しく 企業コンプライアンスも安心
皆さんに知ってもらいたいのは、そこらにある木を適当に切って持って来ているわけではないということです。
森にある木をバンバン切って売るだけならお金はかかりませんが、私たちはコストをかけてきちんと管理し、自然を保護しながら木を伐採しています。
緻密な計画伐採を行うことで、若い木々の成長を促し、ひいてはCO2吸収源としての森を守っているのです。
1本の木をこれだけ苦労しながら、地球の裏側から持って来ているということを知ってもらえたら嬉しいです。
ウリンやセランガンバツなどの東南アジアの木は、これまでわりとルーズに切られていましたが、近年声高に叫ばれているコンプライアンス遵守の観点からみると、安いからといってそういう違法な森林伐採で持ち込まれた材木を使うのはリスクが高く危険です。
その点、ハードウッドプロの材木は安心して使ってもらえます。
現に私どもの材木は、コンプライアンスを重要視する大手のホームセンターさんや大手ゼネコンさんに安心して使ってもらっています。
限りある資源、天然の木材を大切に使いましょう
「板」という字は、”木へん”に”反る”と書きます。つまり、天然の木は元々反るものです。
熱帯地域に生息しているハードウッドの類は、寒い地域に生息している木に比べると、もともと曲がりくねっているものです。
全く使えないようなものは論外ですが、多少の反りや曲がりであれば、場所によって使い分けることで対応できます。
例えばフェンス材料の場合は、目の高さで見る材料になるので、4面クリアーである必要がありますが、ウッドデッキの床材であれば、裏側に軽微な傷などがあっても十分に使えます。
根太・大引に関しては、多少表面に色ムラや逆目ピンホール・灰汁があっても、曲がりやねじれがなければ、強度的に劣る事はないので、十分使用できます。
ご注文の際に、使用部位を明確にお知らせいただければ仕様用途に合ったものをお送りします。そのようにして限りある資源を大切にしてもらえたらありがたいです。
じゃあ反りも節もない人工木材の方がデッキ材として優秀か?と思われるかもしれませんが、私はそうは思いません。
人工木材は完成した時が一番良い状態で、後は劣化していくだけですが、天然木材は完成した時も良いですが、年とともに変化が出て味が出てくるのです。
一緒に年を重ねていくなら、自然の天然木材で作ったウッドデッキやウッドフェンスには敵わないと思います。
伐採現場のジャングル
事務所から車で20分~30分行くと伐採している場所があります。
この木がイタウバ(別名タウブジャオヌ)です。クスノキ科の植物で、ブラジルでは昔から船の材料に用いられてきたほど耐水性に優れていて、木自体が油分を多く含むためささくれが出にくく、素手や素足で触れても安心なデッキ材になります。
この木はアマゾンジャラ(別名マニルカラ、マサランドゥーバ、アマゾンウリン、カンドーレ)です。アカテツ科の植物で比重が高く、ウリンにも匹敵する超硬質木材です。高級感ある濃い赤褐色が人気です。
伐採したアマゾンジャラをトラックで運び出しています。
連結した大きなトラックで運んでいます。ここに積まれているアマゾンジャラの丸太は、1本7~8メートルから10メートル位あります。大きいですね。
伐採現場から運ばれてきたアマゾンジャラが集積場に積まれています。
木の切り口に番号が書いてあります。全て通し番号が入って管理しているのです。
これはアマゾンジャラの葉っぱです。なかなかしっかりした大きな葉ですね。
日本の南西諸島などに生育するアカテツと同じアカテツ科の植物です。
マナウス方面の製材工場で丸太を製材します
伐採現場から、マナウス方面の製材工場に戻ってきました。
この製材機で伐採現場から運んできた丸太を板や角材に製材します。
これはアマゾンジャラの丸太です。皮をむかずにこのまま切ります。
木の皮に石や泥があるとノコの歯が傷むので、日本ですと皮はむいてから切るのですが、こっちの人は関係なく皮付きのままそのまま挽いていきます。
丸太を機械の上に乗せると台車が動き、大きなノコギリがレールの上を移動してくる丸太を挽きます。
製材した木材は荒木の状態でバージという船に乗せ、ベレンの加工工場に運びます。
乾燥させて製品に仕上げます
ベレンの加工工場です。届いたアマゾンジャラの原板が並べられています。赤い色が綺麗ですね。
アマゾンジャラは目が詰まっていて密度が高いため、アマゾンの”アイアンウッド(鉄の木)”と呼ばれるほど耐久性があります。
アマゾンジャラがその密度の高さと堅さで耐久性を誇るなら、軽くて加工性が良いイタウバは、木自信に含まれる豊富な油分で高い耐久性を誇ります。
アマゾンジャラもイタウバも耐久性は同じくらいで、どちらもノーメンテナンスで30年以上長持ちします。
これが乾燥機です。大きな倉庫またはコンテナみたいですね。
この中に入れ、温風で2週間くらいかけて乾燥させます。
「2週間も!?」と驚かれるかもしれませんが、急激に乾燥させると割れてしまうので、ゆっくり時間をかけて水分を抜いていく必要があるのです。
ハイテク×人の技でしっかり乾燥
乾燥が済んだら、規格サイズに加工し、製品に仕上げていくのです。
イタウバの伐採現場へ
さて、時と場所が変わりまして、ここからは2月にイタウバの伐採現場に行った際の話です。
イタウバの伐採現場がある山は、アマゾンジャラの伐採現場よりもさらに奥にあり、ベレンから飛行機をもう1回乗り継いで船で行った場所にあります。
ここは元々ボーキサイト(英名bauxite/アルミニウムの原料となる石)がメインの町で、基本的にはボーキサイトの関係者しか入れません。
パスポートを持ってブラジルに入国していても、この町に入るためにはまた別に許可が必要で、身分証明が必要になります。
私はボーキサイトには関係ないのですが、ここの町を通らないと伐採現場に入れないので、許可を得て入りました。
早朝、町に入った私は辺りを散歩し、この町に2件しかないカフェで朝食をとりました。
これが朝食です。タピオカのパンケーキの中にハムとチーズが入っています。日本円で言うと数百円で、あまり安いという感じではありません。(味はちょっと・・^_^;)
その店の前から撮ったアマゾン川の朝焼けです。時間は朝の6時46分でした。
きれいですね。
伐採現場には、寝泊りする宿舎や管理棟が立っています。
雨が降ると道が泥どろになるので、このように木を埋め込んで道を作っています。
途中、丸太を運ぶトレーラーとすれ違いました。大きな丸太は10メートル近くあると思われます。
これは、カラパナウバという木です。
アマゾンの木はだいたいこのように、幹が長ーく伸びて途中に枝がなく、頭に冠のように枝ある形をしています。
多くの木が密集したジャングルの中で大きく成長する事は、木にとって競争なのでしょう。
いかに早く他の木より上に伸びて日光を取り入れ、光合成できるかで必死で、きっと枝を出す暇なんてないのでしょうね。
幹の直径が私の身長より高い、大きな木がありました。中身が腐っていて空洞になっています。
こんなぽっかり穴のあいた木をどうするのか?と思いますが、輪切りにしてテーブルにするとの事でサンパウロの家具屋が買っていくのだそうです。貴重な天然木は、アイデア次第で色んな使い道があるんですね。
木は切る前に中がどうなっているかを針のような物を刺して確認する事が出来ます。
通常ならこのような中が空洞の木は切っても価値がないので切らないのですが、今回はそのような要望があって切ったのだそうです。
これは丸太に付ける札です。全ての丸太にタグ打ちして追跡できるようにナンバリングします。
イタウバの丸太がたくさん積まれています。ここはイタウバの集積場です。
2月は雨が降り出すシーズンなので、雨が振り出す前に伐採して集積場に集め、いつでも搬出できるように準備しています。
雨が降ると道がぬかるんで重機が使えなくなってしまうので、乾期の8月から翌年1月までに伐採を終わらせます。乾期に切った丸太をこのように集めておいて、製材工場に運びます。
こうして見ると、真っ直ぐな丸太はあまりありませんね。
天然の木は本来、このように曲がっているものであるという事をご理解いただけるのではないかと思います。
イタウバは、そんなに幹が太い木ではないので、例えば90角などの太い角材をとるのは大変です。
このような元々真っ直ぐでない自然な形の丸太を真っ直ぐ製材しますが、木は元の形にもどりたがる性質があるので、ウッドデッキやウッドフェンスの施工は熟練の技術が必要になるのです。
太い角材だけでなく長物も苦労します。お客様から「真っ直ぐな4メートルの材をちょうだい」とご要望いただいても、太くて真っ直ぐな丸太は数が少ないので、数を揃えるのは至難の業です。
ブラジルの山奥から木を切り出し、品質の良い材を選び取って製品にするというのは大変なことなんだな、と少しでも知っていただければ幸いです。
これはツタがイタウバの木を締め付けた跡です。
木がへこむほど締め付けるツタのパワーにも驚きですが、それをものともせず上に上にと伸びていくイタウバの生命力にも驚かされます。自然の力はすごいですね。
ちなみにこれはアンジェリンペトラという木です。木ごとに木の名前や会社名やナンバリングが打ってあります。
木には種類によって様々な特徴があり、大きくていいなと思っても、耐久性が低かったり、匂いが臭かったりして、材木に適しているもの・いないもの、色々あります。このアンジェリン系統の木は匂いがきついです。
これは伐採現場の作業員の食事です。黄色いのはトウモロコシの粉で、ソーセージと鶏肉と豆を煮たものにご飯とサラダがお皿に盛られていて、これらを混ぜて食べるのだそうです。
最初、食べるのに勇気がいりましたが意外と美味しくて、朝にカフェで食べたタピオカのパンケーキよりずっと美味いしかったです。
美味しいのでおかわりしたら、この伐採現場には色んな国の人が来るらしいのですが、工場の人が「おかわりした人ははじめてだ!」と喜んでくれました。
集材所からトレーラーで丸太を運んでいる様子です。
現地では、重機やキャタピラが故障してもジャングルの中で自分達で直せるように、修理する機械や設備が揃っています。ただ機械を持ち込むだけでなく、メンテナンスできるようになっているのです。
この橋の上を丸太を積んだトレーラーが走ります。
何十トンもの重量になるでしょうから、よほど頑丈に作られているのでしょね。
この橋も道も、現地の伐採業者が自分達で作っているのです。
橋の下の川はアマゾン川です。川の中を覗いてみると、熱帯魚みたいなのが泳いでいました。
イタウバを製材します
これはイタウバの丸太にチョークで「このように切ってください」と印を付けているところです。
イタウバの丸太を大きなノコギリで挽いている様子です。
なかなか太さのある大きなイタウバですね。
この時は、皮が付いたままの”耳付き”の板を製材してもらいました。
耳付きだと天然の良さを感じますね。
割れも曲がりも天然木ゆえ。私は天然木の持つ偉大な生命力が大好きです。
伐採現場まで足を運ぶと、丸太を選んだり、製材の際にこちらの要望を伝えたりできるというメリットがあります。
このようにして、ブラジルアマゾンの山奥から、日本のお客様の元にアマゾンジャラとイタウバをお届けしているのです。
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